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甘えたい... [翻訳]

 翻訳が少しできるということと、ボケ対策もかねて、

日本語学校で教えることをやめてからは、文学作品の翻訳をやっていることは

前にもこのブログで書きました。

有島武郎の『生れ出づる悩み』は、去年の5月に翻訳をスタートして11月に完了。


今年の2月には太宰治の『女生徒』の翻訳を始めて、4月半ばに完了。


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『生れ出づる悩み』は “生き方” を問う素晴らしい作品でした。
ただ、主人公の心の状況とか、情景の(詩的な)描写とか、ポルトガル語に訳するのに少々苦労したところもありましたが。

これらの文学作品の翻訳は、日本の文学の場合、

① 短編か中編(訳者も読者も途中で飽きないように)
② すでに著作権が切れたもの
③ まだブラジルで(ポルトガル語で)出版されていない作品

を選ぶようにしています。

翻訳作品は、以前、日本語を教えていた学校のサイトをお借りして「翻訳作品のページ」というものを作って、そこで公開しているのですが、いかに無料で翻訳し、無料公開しているとは言え、著作権とか翻訳権とかの問題などが起こらないようにしているわけです。

さて、今月に完了したばかりの太宰治の『女生徒』。
すでに読まれた方もいると思いますが、実際の女子学生の日記をベースとした、思春期の女性の心の揺れ、ジレンマなどを描いた名作です。
発表当時は、川端康成などが激賞したそうです。”思春期の女性の心理状態を見事に書き、なおかつ女性言葉を上手に使って書き上げている” というのがその理 由らしいですが、2000年頃に、オリジナルの日記が公開され、太宰治の小説版はその日記を丸写し(プラス、内容変更&部分削除)したようなものとわかっ て、評価はかなり変わって来ているとか...
道理で、太宰治が当の女子学生から日記(4冊)を受け取ってから上梓するまでの期間が超短期間だったわけです。しかし、4冊の日記を上手に一つの作品に纏めることができたのは、さすがプロの物書きだけはあります。



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『女生徒』は、思春期の女性の視点から書かれたものですが、男女の差は当然あるにしても、男性でも思春期に同じような考え、経験を経た人は多いと思います。
いや、多いというのは少し言いすぎかな?
原作者の女性は読書好きで、センシブルな人だったようですけど、人間は皆が皆、そうではありませんからね。
この女性は中流家庭の娘で、末っ子。日記を書く数年前に父を亡くして母子二人で生活しているのですが、そのせいか、常に "甘えたい” と思っています。

この「甘えたい」という言葉が、また日本語独特のもので、英語でももちろんポルトガル語でも見当たりません。
「甘えて育てている」とか「甘えさせられている」とかいう言葉の訳はあるんですけどね。
どういうわけか、翻訳に関しては、ポルトガル語よりも英語の方が語彙が多い気がするんですけど、「甘えたい」の場合は、英語でもポルトガル語でも「もっと(自分の)面倒を見て欲しい」とか「もっと(自分を)ケア(世話)して欲しい」みたいな訳文しかないようです。
まあ、それで何とか原文の「意」は伝えられるとは思いますけど、日本語って深いし、便利だなあ~とつくづく思います。
まあ、それもLobyの母国語が日本語のせいかも知れませんけど。

 それで、『女生徒』の訳が完了したので、新しい「ボケ対策」対象の文学作品をあれこれ探しました。
よほど森鴎外の『舞姫』にトライしようと思ったけど、文体が古すぎるのでやめました[たらーっ(汗)]
翻訳以前に日本語でも苦労するなんてイヤですから...


 読者層は、青少年を対象としているので、ドロドロの官能小説とか、BL小説的(堀辰雄の『 燃ゆる頬』など)なものは当然除外。堀辰雄の『燃ゆる頬』なんて、読んだことはないし、読んだら結構いい作品かも知れないけど、ほかに選択肢があるなら、わざわざこれを選ぶ必要性はないと思いました。

尾崎翠の作品も視野に入れたけど、これはまだ著作権が有効なので除外。
名作は数々あれど、すでにポルトガル語訳があったり、長すぎたりするのを外していって、
何とか見つけたのが『二十四の瞳』壺井栄。
これも結構古いけど、文体はすでに現代風だし、若い女性教師とつぶらな瞳の12人の生徒たちとの、心温まる交流~ そして戦中・戦後の激動時代を生きていく彼らの物語は、映画やTVドラマを観たことのある人ならご存知の感動物語です。

で、昨日、第一章を訳し終えて学校のサイトにアップしたばかりです。

それにしても、タイトルの『二十四の瞳』って、英訳では『Twenty-four eyes』となり、
ポルトガル語でも『Os Vinte e Quatro Olhos』となるんだけど、
「eyes」 も 「olhos」 もただの「[目]目」なんですよね~。
まあ、英米人やポルトガル人&ブラジル人にはeyesはeyes目だし、olhosはolhos目でほかに言い方はないんだろうけど、日本語で「きれいな瞳の女性」と言うのと、「きれいな目の女性」とはちょっとニュアンスが違って、前者の方が詩的だし、きれいなんですよねぇ~。(と私は思います)


タイトルだけ見たら、↓こんな感じを想像しそうで、これはもう文学小説ではなく、推理小説的なイメージですよね[たらーっ(汗)]


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まあ、英米人やポルトガル人&ブラジル人にはeyesはeyesだし、olhosはolhosでほかに言い方はないんだろうけど、日本語で「きれいな瞳の女性」って言うと、「きれいな目の女性」とはちょっとニュアンスが違って、前者の方が詩的だし、きれいなんですよねぇ~。

ちなみに、「瞳」の英訳はpupil で瞳孔の意味のほか、教え子とか弟子とかの意味もあるようです。
ポルトガル語ではpupilo で、秘蔵っ子、愛弟子、目にかけている弟子とかの意味もあります。

日本語では、女性の名前に「ひとみ、瞳」とかもありますけど、英語やポ語ではムリです[あせあせ(飛び散る汗)]



やはり日本語は素晴らしい!




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日本旅
プラン進捗状況

今年の秋に予定している日本旅行。

旅行社から連絡あり、エミレーツ航空の安いチケットが買えるということで、即断即決で買いました。
日本ブラジル間往復で、普通なら1500ドルくらいするのですが、1170ドルで買えました。
航空チケットは安かったけど、追加徴収費、(中でも燃油サーチャージ料金)が高いのにビックリしました。
エミレーツの場合は、1人330ドル。日本円にしたら3万5千円くらいでしょうか。

ググってみると、航空会社によって多少の差はあるものの、やはり遠いところでは日本の航空会社でも往復で3万円近く徴収しているので、”日本がブラジルからもっとも遠い国”の一つであることから、330ドルって範囲内かも知れませんけど、やはり物価と賃金の差で、日本では月給18万円(初任給?)くらいの収入に対して追加徴収費は約20パーセントくらいの額ですけど、ブラジルの最低賃金と比較すると、日本の物価感覚では10万円くらいの金額になるのでけっこう高いです。

旅行計画は一応プランを組んでいますけど、これからいっしょに旅行するAさんの考えも聞きながら詳細を杖ていかなければなりません。

出発まで残すところあと5ヶ月後です。





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今日もご訪問有難うございます
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あしあと(25)  コメント(7) 
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コメント 7

ぽちの輔

作家が何を伝えたかったのか?
考えながら訳す必要があるので難しいでしょうね^^;
by ぽちの輔 (2018-04-29 07:05) 

横 濱男

日本語の言い回しを訳すのは、結構難しいでしょうね。
日本旅行が楽しみですね。
天気に恵まれるといいですが。。
by 横 濱男 (2018-04-29 19:58) 

kuwachan

日本語は同じ意味でも使う漢字でニュアンスが
変わってくるのでそういうところも難しいかもしれないですね。
日本旅行、随分先のことと思っていましたが、近づいて来ましたね!
by kuwachan (2018-04-29 21:46) 

こんちゃん

読者はそれぞれ自分の解釈で読みますから、翻訳者の解釈も作品に影響して、そんなこと考えると大変な作業ですね。
航空チケット、もっと高いと思ってました。1170ドルならかなりお値打ちなのではないでしょうか。
それにしてもサーチャージはかなり高いですよね。昔(かなり)は無かったですよね。
日本でやりたいことだらけで時間が足りないのでは?
by こんちゃん (2018-04-30 14:12) 

ヨッシーパパ

5カ月などあっという間ですね。
宿泊先も国内の大手旅行会社で、遅いところでも6カ月前から予約出来ますから人気のある場所は、すぐにコスパの良いところは無くなってしまいます。
by ヨッシーパパ (2018-04-30 19:20) 

Loby

>ぽちの輔さん、そうですね。
 訳す上で、やはり重要なのは”何を伝えたいのか”ですが、
 それと文章のスタイルも重要です。
 格調高い文章、タメ口言葉、敬語調、とさまざまありますので、
 それに合った訳をすることが大事です。

>横 濱男さん、詩や文学作品の翻訳はかなり難しいです。
 日本旅行、5ヶ月後です。

>kuwachanさん、日本語は深すぎ、複雑過ぎます^^;
 それだけ素晴らしいのですけど…
 日本旅行、出発までにまだまだしなければならないことが
 山積です。

>こんちゃんさん、私の翻訳は、若い人を対象にしていますので、
 楽しく読めるように、可能な限りやさしい言葉、普段語を使って
 翻訳しています。
 チケット料金は、まあまあの値段です。ほかにも安いのあるのですが。
 サーチャージの高さにはオドロキました。

>ヨッシーパパさん、まったくです。
 まだ解決しなければならないことたくさんあるんですけど…^^;
 宿泊施設の予約は予約サイトでしましたけど、
 これはこれで問題もあり、少々苦労しました。

by Loby (2018-05-05 21:02) 

johncomeback

拙ブログへコメントありがとうございます。
中学生の頃に太宰治を読んで「自意識過剰」って
事を知りました。年取ると無くなりますね(*´∇`*)
by johncomeback (2018-05-05 22:14)